これまで緊張によって様々な失敗を重ねてきた方へ
人生を生きる上で、私たちは日々選択の連続に追われております。
その中には毎日の洋服選びや通勤経路のような自分一人の選択から、ビジネスでの意思決定や恋愛における駆け引きのような自分以外の第3者を交えてのものまで。
そんな中でやはり重要度、緊急度の高い選択をする際に切っても切り離せないもの、それはずばり「緊張」です。
人によっては緊張が上手く作用して予想以上の結果を創出できたり、はたまた緊張のせいで普段どおりのパフォーマンスを出せなかった方もいらっしゃるかと思います。
自身の見方にも敵にもなり得る「緊張」にフォーカスして、今回はそれに対してどのように向き合うべきか、どのようにコントロールしていくのかを、ドイツ出身のメンタリストでありマジシャンのトルステン・ハーフェナー氏の著書も交えて解説します。
人間の感情は秒単位で変わる
まず情景を思い浮かべながら想像してみてください。
①本日は友人とランチのため、浮足立ってレストランに向かっている
②レストランまでの道中突然右足に何かがぶつかったような衝撃が走りカッとして振り返る
③どうやら少年が私の右ひざにぶつかったようで泣いている
④注意不足であった自分を省みて少年に声をかけると少年は「こちらこそごめんなさい」と大人顔負けの対応
⑤少年に怪我が無いか確認した後、礼儀正しい少年もいたものだ、と感心しまた歩を進める

いかがでしたでしょうか。
感の良い方なら既にお気づきの通り、この①~⑤の短時間の出来事で「私」の感情は5回変化しています。
①・・・「楽しみ」「期待」「待望」
②・・・「苛立ち」「不快」「不満」
③・・・「驚き」「意表」「吃驚」
④・・・「可哀相」「申し訳ない」「気の毒」
⑤・・・「感心」「見事」「健気」「殊勝」
このように、人間の思考や感情は長時間維持できるものではありません。
ふとしたきっかけでころころと変化していくものなのです。
これが理解できれば、あとは単に緊張してしまう局面の直前にポジティブな感情を持ってくれば良い、という考えに至ります。
重要局面の直前に最高の感情を準備する方法
前述した通り、人間は秒単位で感情が変化することがわかれば、緊張を伴う場面の直前に前向きな感情を用意すれば万事解決となります。
その感情の用意の仕方、コントロール方法とはずばり、、
【勝利のポーズ】

これをするだけです。
「え?これだけ?」と感じたそこのあなた、そうですこれだけです。
付け加えておくと、これは私の独自理論ではなく、アメリカの社会心理学者がハーバード・ビジネス・スクールで研究をしている「パワーポーズ」というものであり、きちんと研究に基づいたロジックとなります。
その社会心理学者によると、「優位性は【大きさ】で表される」というように、身体を大きく伸ばしたり、両脚を大きく広げて立つことでネガティブな思考が払拭されていくという行動研究とのことです。
このポーズを重要局面の直前に実施することで、勝利のマインドセットを携え、戦いの舞台に堂々と足を踏み入れられると語られております。
商談の席へ、または採用面接の会場へ、はたまた異性への告白の舞台へ。
研究に基づく論理的根拠
ハーフェナー氏の著書には興味深い研究結果も記されています。
それは「勝利のポーズは世界共通のもの」という概念です。
2008年にカナダとアメリカの大学で行われた実験が下記です。
①目の見える人②大人になってから視力を失った人③生まれつき目の見えない人、の3グループに参加してもらい「勝利のポーズ」を実演してもらった。
すると3つのグループの被験者はいずれも、腕を高く上げ、両脚を広げて立ち、あごを上向かせるポーズをとった。
つまり勝ったときに体を大きく広げるという行為は、人間が生まれ持った性質から来るものだということになる。
以上のように、この「勝利のポーズ」は一部の人々に有効的なものではなく、人間が本質的に備えている性質ということがわかります。
他にもホルモンの分泌による研究結果が記されていたりしますが、十分に説得力は伝わったかと思いますのでこちらは割愛します。
明日から早速実践あるのみ
以上の研究から、身体言語が思考・感情を変えるということがお分かりいただけたかと思います。
早速明日からの様々な選択局面で、是非こちらの「勝利のポーズ」を実践し自身の感情をコントロールして、重要局面にポジティブな状態で臨みましょう。
そうすれば自ずとネガティブな緊張は払拭されることでしょう。
※あまり人目につきすぎる場所で実践するのは別の意味で緊張してしまいますので注意しましょう