「メラビアンの法則」とは
“メラビアンの法則”
こちらの単語をご存知でしょうか。
一言で申し上げると、「第一印象はやっぱり見た目」という心理効果を指します。
アメリカの心理学者メラビアン氏が実施した実験がルーツとなっており、
■初対面の人に会ったときの印象を決定づける要素は
1位・・・見た目や表情、仕草などの視覚情報(55%)
2位・・・声(38%)
3位・・・言葉や話の内容(7%)
というデータに基づく心理現象です。
身も蓋もない話ですが、やはり人の印象というものは見た目が大きくものを言うということですね。
あれ?
じゃあ結局イケメン・美女には逆立ちしても敵わないってこと?
そうではありません。
印象の大半を占めている「視覚情報」とは、何もルックスの良さだけではなく、服装や姿勢、顔つきや目つき、話し方なども含まれます。
仮に容姿が端麗でも、シワシワのシャツを身に纏い猫背でボソボソと発声するような人は、相手に好印象の視覚情報を与えることはできないでしょう。
詰まるところ、相手に好印象を与えたいのなら見た目を良くすることを第一に考え、相手が喜ぶような話をすることは二の次だと考えましょう。
というのが「メラビアンの法則」です。
商談フローが短い営業マンは心得よ
勿論こちらの「メラビアンの法則」は営業マンに限った話ではありません。
恋愛においても交友においても積極的に意識すべき点だと考えますが、その中でも「会社の顔」として時には大金を扱う営業職においては、必ず抑えておきたいポイントです。
さらに言うとすれば、商談フローの短い商材を扱う営業マンは意識していないと「ヤバい」です。
「アカウント営業*」「ソリューション営業」と呼ばれるような一人の顧客にかける時間が多い営業スタイルであれば、2回目3回目の商談時に印象を挽回できるかもしれません(これも心理効果として「親近効果」「ミスラベリング」と言ったりします)。
しかし最近流行りのサブスクサービス、SaaS等のクロージングにおいては、オンライン・オフライン問わず大半がたった一度の商談で導入可否が決まってしまいます。
万が一失注の理由がクローザーである自身の「暗そうな印象」によるものだったら、、
万が一失注の理由が競合他社に比較し「カジュアルな服装」によるものだったら、、
悔やんでも悔やみきれません。
* アカウント営業:顧客の組織や事業について広く深く情報収集したうえで課題を聞き出し、それを解決するためのソリューションを提案していく営業方法
「相手がどう思うか」を考えた服装や言動で印象操作を
相手に好印象を与えるためには、常に「相手がどう思うか」を想定しなければなりません。
例えば服装。
近頃「オフィスカジュアル」がベンチャー・スタートアップを中心に流行していますが、果たして提案先の顧客はあなたと同じ「オフィスカジュアル」ですか?
もしそうであれば服装としては問題ないでしょう(細かい着こなし・センスは置いておいて)。
しかし、万が一提案先の顧客が「フォーマルウェア」だった場合、「オフィスカジュアルは軽い印象を持たれてしまうかもしれない」という想定ができませんか?
三大都市圏以外の多くの企業は未だアナログ至上主義でスーツ推奨派も多いのが実情です。
そこにデジタル領域の提案をするとして、もし自分が顧客だったらスーツを着た営業マンか、カジュアルファッションの営業マンか、どちらがストレスが少なく安心感があるかを考えなければなりません。
このように、あくまで「戦略的」に服装や言動等の視覚情報を相手に合わせて柔軟に対応していくことで、自ずと自身の印象はアップするわけです。
まさに「トップセールス=カメレオン俳優」と言われるだけのことはあります(私が言っているだけかもしれません)。
【番外編】Bitters Clubの「メラビアンの法則」考察(アニメ編)
私は以前、アニメやコミックを楽しんでいる中で一つの疑問が浮かんだことがあります。
それは、
なぜアニメの主人公は大半が「黒髪短髪」なのか?
という疑問です。
有名所で言えば、ワンピースのモンキー・D・ルフィ、名探偵コナンの江戸川コナン、サラリーマン金太郎の金ちゃん、はじめの一歩の幕之内一歩、BECKの田中幸雄、ゴルゴ13のデューク東郷、マスターキートンの平賀=キートン・太一、パイナップルARMYのジェド・豪士、etc..
黒髪短髪の主人公を挙げていくと枚挙に暇がありません。
ではなぜこんなにも黒髪短髪の主人公が多いのか?
それは「黒髪短髪こそが、読者の抵抗が少なく感情移入しやすい主人公像のため」と考えました。
例えば、ワンピースのモンキー・D・ルフィが編み込みのドレッドヘアーだったら、直向きに海賊王を志す健気な姿勢に共感しづらくなりますよね。
パイナップルARMYのジェド・豪士が金髪ロン毛頭だったら、「本当に世界各地の戦場を渡り歩いた元傭兵なのか?戦闘インストラクターちゃんとできる?」とそもそもの設定が不安になりますよね。
このようにヒットするアニメは、読者の深層心理を鑑みたビジュアル設定となっていることが伺えます。
万人受けする視覚情報の設定、これぞまさにメラビアンの法則と言えるでしょう。
※例外有り(桜木花道/スラムダンク、武藤遊戯/遊戯王、サイタマ/ワンパンマン等々)
おわりに
前述のように、心掛け次第で相手に与える印象は自身で操作することが可能です。
「相手がどう思うか」という点を念頭に置いて、なるべく多くの方にポジティブに捉えてもらえるような印象を作っていきたいものです。