【マーケティング入門】基本用語『4P』とは

IT用語が存在するように「マーケティング用語」が存在する

見出しの通り、こと「マーケティング」業界では様々な専門用語が頻出します。

これはこれまでお話してきた近頃のセールス業界における専門用語(インサイドセールスだったりイネーブルメントだったり)の比ではないくらいに、それはそれは頻出します。

というよりマーケターの会話のおよそ9割は専門用語と言っても過言ではないかもしれません。

またさらに厄介なことに、マーケティング用語は横文字が多いです。

これはやはりマーケティングが元々アメリカ発祥の概念であり、適切に日本語変換できるまでに至っていないことが大きな要因でしょう。

一説によると世界で最も権威のある「Marketing」の定義も、「アメリカ・マーケティング協会」という機関による定義だそうです(なんと遡ること1940年に初めて定義されたとか)。

というわけで、今回はそんな初見では理解不能なマーケター達の会話を少しでも解読できるように、まずは基本的なマーケティング用語から解説していこうと思います。

現在の得意領域に加えて新たにマーケティングの知見を取り込み、共にビジネスマンとしてのレベルアップを目指していきましょう。

マーケティング基本用語【4P】

「4P」は誰もが一度は聞いたことがある用語かもしれません。

これはエドモンド・マッカーシーというマーケティング学者が1960年代に提唱した4つのPから構成されるマーケティングの概念です。

そしてこれはテレビCMやメールマーケティングのような戦術や手法を指すのではなく、購買プロセスやターゲティングなどのような「概念」や「戦略」の専門用語となります。

意味を簡単に説明すると、「マーケティングの目標を達成するための、戦略ツールの組み合わせ」です。

もっと噛み砕いて説明すると、「ビジネスにおける販売戦略の手法」です。

さらにさらに簡略化すると、「売るために考えること」です。

それぞれの説明をご覧いただければご理解いただけると思いますが、「ものを売る」ことにおいて設定しておくべき内容をまとめたものが4Pということになります。

ではそれぞれ解説していきます。

Product (製品)

「ニーズ(需要)に応えた製品」のことです。

どんなに先進的で素晴らしい商品を生み出したとしても、そこに需要が発生しなければ商売になりません。

例えば「壁から建具からすべて全面ガラス張りの戸建住宅」をハウスメーカーが設計したとして、あなたは購入するでしょうか。

プライバシーもへったくれもあったものではありませんよね(実際にあった話なのが面白いですが)。

このように作りたいものを作るのではなく、ニーズを的確にキャッチアップした「Product(製品)」の設計がまず必要になります。

Price (価格)

「ニーズに応えた価格」です。

Product(製品)が素晴らしくてニーズにマッチしていても価格が相場とかけ離れている場合はこれまたビジネスは成り立ちません。

例えば「ストロングZERO タピオカ入り (缶チューハイ):12,000円(税抜)」。

価格設定がストロング過ぎて購買意欲が湧かないですよね。

そもそも缶チューハイなどは手軽に購入できるアルコール飲料という商材性質なため、この場合製品と価格設定がアンバランスになってしまいますね。

というようにこれまた市場を加味した「Price(価格)」の設定が重要になってきます(缶チューハイも飲み過ぎは良くないようなので程々に)。

Promotion (販売促進)

「ニーズに応えた販売促進」。

どのようにターゲットに商品の存在や特徴、魅力を知らせるかです。

例えば「高級ブランデー販売会社」がテレビCMを放映するでしょうか。

恐らくしませんよね。

テレビCMとはマスマーケティングの一種であり「一般大衆」に向けた施策のため、高級ブランデー等のターゲット層がある程度絞り込まれている商品は向かないのです。

であれば「ハイクラス人材紹介サービスへのウェブ広告」や「高級クラブ・料亭等へのDM」のほうがROI(費用対効果)も高そうな気がします。

このようにターゲット層に即したPromotion(販売促進)戦略の重要性が高まってきます。

Place (流通)

「ニーズに応えた流通に乗せる」。

どのような経路でお客様へ商品をお届けするかです。

昨今ではこの流通も「店舗」「オンライン通販」「訪問販売」をはじめとして様々な方法があります。

これも同じく誤った流通経路ではビジネスは成り立ちません。

が、これに関しましては近頃潮目が変わりつつあると私は考えております。

これまで店舗型が当たり前だったアパレルが店舗を持たず「オンライン通販」に移行するケースがあったり、コロナ禍で飲食店が店舗型から「テイクアウト」を主にしていく方針に変化していたり、時代の移り変わりとともに変遷していることを感じています。

ただ勿論、当然ながらPlace(流通経路)はお客様側の需要にマッチしたものでなければならないという点は不変であるため、こちらも十分な設計が必要でしょう。

おわりに

このように商品は「価格が安い」や「良い製品」だけでは売れません。

いわばどのPが欠けてもマーケティングにはならないということです。

ニーズに応えた製品をつくり出し、ニーズに応えた価格で、ニーズに応えた流通に乗せて、ニーズに応えた販売促進を行うことによって初めて売れていくようになります。

また当記事で「ニーズ」「需要」と何度も繰り返しているように、この4つのPには「Target Customer(標的顧客)」の存在が欠かせません

自社で改めてこの4Pを見直す際には、是非それに共通する「想定し得る顧客のニーズを満たしているのか」を十分吟味してみてください。

補足(マーケティング・ミックス)

今回の4Pのような概念を通称「マーケティング・ミックス(MM)」と呼びます。

また別で解説する、4Pの進化版とも称される「4C」もそれに当たります。

重複しますがこのような戦略的概念は相手によって変化するため、マーケティング・ミックスも対象とする顧客に応じて変えていかなければなりません。

そして勿論、製品が変われば価格も変わり、それに応じて流通も販売促進も変わります。

このように4つの要素を深く関連させながら、最大の効果を上げるようにマーケティング・ミックスを組み合わせていきましょう。

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